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チラシのおもて

すきなものについて

森見登美彦『夜行』と古書店街。

11月頃から念願叶って紀伊国屋書店でアルバイトを始めた。でもアルバイトであるので、思い描いていた様な書店員っぽい業務に携われない事と、かなりネチネチと僕の接客態度に難癖を付けられる為に始めたばかりの頃は本当にストレスで参ってしまった。ようやく慣れた頃には暇なレジ業務をどう楽しもうかと考える様になった。と、言っても大体の時間は最近読んだ本とか映画に対して自分なりの解釈を考えたりしている。

 では、どんな楽しみ方を考えたかと言うと、お客さんが持ってきた中でも気になった本に挟まってる”スリップ”を抜いてポケットに入れては、どんな本であるかを想像すると言う物だ。因みにスリップとは、本に挟まってる短冊の様な紙で、コミックなどにも挟まってるので一度は見た事があると思います。一般的には立ち読みしてる時に、何ページかに渡って挟まっている邪魔な物という印象が強いかもしれない。しかし本のタイトルから出版社名、ISBN*1という978から始まる本のコードなど様々な情報が記録されている物である。このISBNコードで検索すると一発で本がヒットするので書店で本を探して欲しい時は事前にamazonなどで調べて置くとスムーズに事が運ぶと思うし便利なので覚えておいて欲しい。(大抵はタイトルと著者名で見つかります)このスリップを抜いて保存する事で「どの本が売れたか」という本の売り上げを集計する訳だが、今はコンピュータでそれを管理する時代なのでスリップは大抵の場合は捨ててしまうので、それを自分がメモ代わりに取っておいて後で買う楽しみにして置くという訳だ。そんなに大した事ではない楽しみ...笑

 紀伊国屋書店と言えば有名だし大手な書店なので、結構な割引き価格で買えるのでアルバイトを始めてから多くの書籍を買い漁ることができた。実は今日、古書店街で有名な神保町をぶらぶら歩いていたら本についてを色々と書きたくなった。そういえばロケ中の渡辺正行さんを見かけた。前回来た時は古本市をやっていて朝井リョウさんを見かけたりして、本以外にも様々な出会いがあったりする。それにしても神保町は素敵な街で、ある古本屋に入ったら綺麗な女性書店員が熱心に本を読み耽っていて羨ましい気持ちで嫉妬心が芽生えてしまったが、あまりに幸せそうな姿に僕はトキめいてしまったのだ。そんな彼女との時間を共有したいが為に「つげ義春全集」を読み漁るという、我ながら実に変態極まりない行為を犯してしまった事を、この誰も見ていなさそうなブログにておわび申し上げる。そんな前置きは、さて置き。今回は最近買った本や読んだ本についてをつらつらと書き記していく所存でございます。

 

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いよいよ、1月19日。つまり明日発表される直木賞候補作である内の一つ森見登美彦さんの『夜行』について取り上げたい。以前、ブログにて取り上げた恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』も候補の一つだ。因みに両作品とも本日発表された本屋大賞のミート作品10作に選ばれている。*2

  

夜行

夜行

 

 

あらすじー

 私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。私たちは全員、岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。

 

ざっと説明してしまうと、それぞれの登場人物が章ごとに不思議な体験を語っていく怪談小説のオムニバス的な作品になっているのだが、タイトルにある「夜行」が物語の重要な存在になっていて、それに対となる「曙光」が鍵を握っていて後半の展開は『四畳半神話体系』っぽさ(これを言ったらネタバレの様な気もしなくはないが)を感じさせる様な内容にもなっている。森見登美彦さんと言えば独特な文体で僕も挫折した事はあるのですが、本作は”本当に森見さんなの?”と疑うくらいに読み易い物となっているので以前諦めたという方にもオススメしたい。勿論、森見登美彦節も健在であるのでファンも必見な内容です。実は先ほど、神保町の古本市に行った事を書き記しましたが森見さんの『夜は短し歩けよ乙女*3という作品で京都の古本市についての話があり、それに影響されて”せめて東京で良いから!”という理由で行ったという、どうでも良い裏話。

 

続いては、かなり毛色の違う書籍ですが成毛眞さんの『AI時代の人生戦略 「STEAM」が最強の武器である 』について。

 

AI時代の人生戦略   「STEAM」が最強の武器である (SB新書)

AI時代の人生戦略 「STEAM」が最強の武器である (SB新書)

 

 簡単な内容-

   楽しく遊びながら将来に備える方法。日本の労働人口の49%が、10~20年以内にAI(人工知能)やロボットに置き換えられる可能性が高い。AIが人間の能力を超える「シンギュラリティー」の時代も、予想以上に早く到来するかもしれない。そんな近い将来、人はAIやロボットを使う側、使われる側に否応なく選別される。定型的な仕事しかできない人は使われる側、創造性を活かし社会的な知性を身につけた人は使う側にまわる。日本屈指のイノベーターが、残酷な5年後を見据えた人生戦略を説く。

 

なぜ読もうと思ったかは、少し前に第88回アカデミー賞視覚効果賞を受賞した『エクス・マキナ』を見た事や2016年が”AI元年”と囁かれる様に、AIという言葉が身近になりつつある時代に生きる人間として多少の知識を得たいと思ったからに他ならない。といっても、まだ読んでる途中なので詳しくは書けないのだが読み進めて行くと「AIが発達する事でなくなる仕事」の一覧がズラーッと並べられていて、あまりの多さに頭が呆然としてしまったのは言うまでもない。あまり興味がないという方もAIは必ず身近な物となる筈なので、是非とも読んでみて欲しい。僕も大学生になってから、こういう新書サイズの書籍を読み始めたのですが、結構薄くて読み易い物が多いので、情報をサッとインプット出来て、大変便利な読み物であると思っています。卒論を書く際にも岩波新書に、めちゃくちゃお世話になりました。思ったより2冊の紹介で分量が多くなってしまったので、今回はこの辺で。明日の直木賞の選考結果が分かる時間帯(19時頃)は、どうやらバイト中みたいで残念。

 

 

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*1:ISBN(アイエスビーエヌ、International Standard Book Number)は、世界共通で図書(書籍)を特定するための番号である。 日本語に訳すと国際標準図書番号となる。 開発はW・H・スミスのプロジェクトであった。 日本では、これを基に日本図書コードとして使用されている。

*2:2004年(平成16年)に設立された、NPO法人 本屋大賞実行委員会が運営する文学賞である。一般の文学賞とは異なり作家・文学者は選考に加わらず、「新刊を扱う書店(オンライン書店を含む)の書店員」の投票によってノミネート作品および受賞作が決定される。因みに僕は『自生の夢』、『蜜蜂と遠雷』、『コンビニ人間』に投票した。

*3:今年の4月に星野源が主演声優で映画が公開する。聖地巡礼などが流行りがちなので公開前に京都の鴨川などに訪れたいです。