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チラシのおもて

すきなものについて

『AAAH! ゾンビーズ!!』に見る自己と他者。

知り合いの方はしっているかもしれませんが僕は部類のゾンビマニアで、ゾンビ映画を卒論の題材として書き上げた。そんな僕がオススメしたいゾンビ映画を今回は紹介していきます(今まで、何故か書かなかった)。数あるゾンビ映画の中でも僕は『AAAH! ゾンビーズ!! 俺タチだって生きている』(2007)を挙げたい。


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あらすじ―
アメリカ西海岸。陸軍の極秘施設では、新種の“超兵士"を作るために人体実験が行われていた。
だが、プロジェクトは失敗し、兵士がゾンビになってしまう。
軍はこの事実を隠すため、実験に使った廃液を樽に詰めて、全て破棄しようとする。
ボーリング場でバイトするティムの元に集まったおバカな若者マット、元カノのヴァネッサ、そしてシンディ。
今日は地域のボーリング大会だ。試合前、マットは勝手に店の売り物のソフトクリームを作り、皆に振る舞った。
ところが、食べた4人が感染して、即ゾンビ化するという最悪の事態に…。
そんな時、ニックと名乗る軍人が、感染の拡大を阻止しようと4人の前に現れるが・・・。


簡単にまとめてしまうと"ソフトクリームを食べてゾンビになっちゃった"が本作の全容です。そして近年よく見る「自分がゾンビになってしまう系」の一つであると言える。そもそもジョージ・A・ロメロがモダンゾンビ(一般的な噛まれたらゾンビになるタイプ)を生み出してからゾンビ映画では、近しい人がゾンビ(怪物)に転じてしまうという怖さが一つの魅力となっている。で、ゾンビ化というのは、その人のアイデンティティの喪失を意味する物でもあるのです。所謂、他者に転じてしまう恐怖です。そして「他人がゾンビになってしまう」から「自分がゾンビになってしまう」へ、近年ではシフトしていっている気がするのです。僕は卒論の中で、それを"アイデンティティ・クライシス型ゾンビ"と名付けでゾンビ史を語っていく中で取り上げました。その中の一つが今回紹介する『AAAH! ゾンビーズ!!』なのである。


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めちゃめちゃ下らないコメディ作品ではあるのですが、本作が秀逸な点は主人公たち自身(自分たち)の視点ではゾンビ化していないように見えるのに、他者(=社会)の視点を通して主人公たちを見た時にはゾンビに見えてしまうという所にあります。意図的なのかは分かりませんが、僕は、これがとても素晴らしいと思った。話が少し変わりますが、去年公開した『君の名は。』を見たでしょうか。本作では瀧(神木隆之介)と三葉(上白石萌音)が入れ替わった時に他者を通して自己を知るという場面がありました。瀧の中に入った三葉が友だちとの会話の中で手さぐりに自分の一人称を探る場面なのですが、「ぼ、ぼく?」「わ、わたくし?」「お、俺?」という感じで、他者を介して自分を知る訳なのです。自己意識や自己イメージは、社会の中で揉まれたり、他者との関わりを通して形成され、社会や他者との関わりの中で絶えず変化していく様な気がしています。こんな感じで卒論では、ゾンビ映画を通してアメリカの社会背景から、世界的な背景、そして後半では今回の様に「自己と他者」に関してをゾンビ映画から掬い上げ、考察したりしました。今回紹介した作品は下らなすぎて見る人が少ないかもしれないが人間関係の希薄化がであったり、情報化という点からも色んな考察が出そうな作品ではある。卒論はあまり出来がよくないですが、読みたい方には送るので言ってください!これからも少しずつゾンビ映画を紹介していけたらと思います。



今回の4コマ漫画 第3話「新人書店員」です(1コマ1コマ顔が違ってしまったので練習せねばと思ってます)。名字が稲泉なので、泉ちゃんと呼ばれます。

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↓これは扱いづらい気がしてボツにしたキャラ設定。ドリルが大好物な武士ロボット”ドリザえもん”。敵に突撃する際には変形できる可変機型で、刀の峰の先にあるドリルを武器に突っ込む。照れ屋であるので自分の名前しか話せない。

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