チラシのおもて

すきなものについて

京都 旅行①

ずっと京都に行きたいと思っていた。僕の好きな”くるり”が京都出身で京都を題材にした曲(京都の大学生etc...)を歌っていたり、僕が好きな小説家の森見登美彦さんが書く小説の舞台もほぼほぼ京都である事が多く、憧れと羨望の的なのだ。京都の事を考えると決まって中学生時代の修学旅行を思い出す。真っ先に思い浮かぶのが「トイタハイトイタ事件」である。行きの新幹線でトイタさん(仮名)という女の子が新幹線のスピードに酔いしれてしまったのかゲロを嘔吐してしまったという事件である。それからしばらくの間、クラスの男子達は事あるごとに「トイタさんが吐いといた(トイタ)」という何の面白味もないダジャレを呟いてはゲラゲラ笑っていたのだ。僕の食欲も失せてしまうので辞めるべきだ。これが俗に言う「トイタハイトイタ事件」の全貌である。仮にトイタさんが端に文字を書いたとした場合、「トイタさんが書いといた」という事柄だけでは勿論、流行ったりはしないのである。これだけでも人の不幸を蜜の味にする人間がいる理由が分かる気がした。若さというのは残酷だ。こういうのもあってか、中学時代の僕は人間不信であったのだ。

そんな事はさておき、年末年始に休みを取らず、とてもとても疲れてたので久々に休みを取って遠出できるのはとても楽しみだ。こんなにも"とても"を使ってしまうのだから、疑いの余地すらない程に、とても楽しみなのだ。5連勤を乗り切り、その日は残業で日付が旅行当日に変わり帰宅。忙しくて何も準備が進んでおらず焦ったが、荷物は切符とカメラと本と財布と僅かな下着くらい。1泊なので、その辺に遊びに行く時と会社に行く時くらいの荷物で十分。行きの新幹線は卒業旅行だかの女子大学生で溢れていて緊張してしまい、ひたすら持ってきた書物に目を通していた。しかし女の子というのは、ずっと飽きもせず恋愛の事ばかり話しているのだな。「彼氏からどんなプレゼントが欲しい?」という話題になり、色々出て「Dr. Martinの靴が欲しい、というかマーチン履いてるような人と付き合いたい」「私も〜」みたいな話になって、自意識が過ぎるかもしれないがマーチンを履いている僕は恥ずかしくなってしまった。マーチンの話題は確実に確信犯であろう。もしかしたら明らかにモテなそうな外見である僕を暇潰しのためにから買おうと考えたのではないだろうか。めちゃめちゃ可愛い女子大生の視線を感じていたので、僕はそんな不毛な考えを孕んでしまい妄想という妄想を膨らませ書物に集中出来ぬまま京都へ到着した。

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京都に着いたのは午前10時。駅を出ると屹立し聳え立つ京都タワーがあり、京都に来たんだなという気持ちになる。何も計画を立てていないので、とりあえずは行きたいと思っていた下鴨神社を目指し北へ歩く。

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途中、魅惑的なサウナがあった。時間的に営業もしていなく、夜に絶対行くぞと思っていたのですが、それは実現せず残念。また京都へ来た時に行こう。しばらく歩くと鴨川が見え、鴨川沿いを歩いたが中々遠い。どうやら1時間以上掛かりそうだと分かったので、京阪電鉄三条駅へ行き、出町柳駅を目指す。

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京都の電車のデザイン好きだ。

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行きたかった鴨川デルタを見れた。NHKの番組「ドキュメント72時間」の一昨年放送された回で、この場所が選ばれていて、とても秀逸で人気な回だった。また森見登美彦氏の作品で度々、登場しているような気がする。

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確か「四畳半神話大系」という作品で主人公と悪友の小津が他学生に向かってロケット花火を打ち込む所だったはずだ。ちゃんと花火禁止の看板があった。

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世界文化遺産にもなっている糺の森下鴨神社へ来た。ここも森見登美彦氏の作品ではお馴染みの場所だ。今ちょうど読んでいる「有頂天家族」(二作目)でも狸たちが住むのは、ここ糺の森だ。僕はアニメの方は存じ上げてないのだけど、主人公の矢三郎のスタンディがあってイメージと違っているように感じた。ここは縁結びの神がいるらしく、まだ見ぬ乙女との出会いを願う事にした。お守りは厄払いのお守りにした。今年は厄年らしく、今年から災難が多く降りかかっている為だ。

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休憩所で申餅を食べる。

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お昼頃、叡山電鉄で鞍馬へ。ものの30分ほどで深い山の中へ来てしまったようで驚いた。鞍馬と言えば鞍馬天狗。確かに天狗がいそうな雰囲気漂う場所だった。ロープウェイが運休中らしく、参道へは時間が掛かりそうであったので、ほとんど滞在せず出町柳駅へ戻り、そのままホテルへ向かいチェックイン。色々と省いていますが、極力は旅行で電車は使わない派なので、歩きまくった末にホテルに着いた。後で万歩計アプリを見てみたら、この日は30km近く歩いていた。少し休んで、近くの漫画ミュージアムを見物し、行く当てもないので祇園清水寺方面へ向かった。京都から市バスで数10分。

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やはり清水寺は凄く混んでいる。中学生の時の記憶は薄れているのですが、ここだけは来たのを覚えている。今回は大規模修繕の真っ最中との事で残念。何だか疲れ果てたのでホテルへ戻る。1文で済ませたが、清水寺を出たのが16時過ぎ頃で、ホテルへ着いたのが19時だったので阿呆みたいに歩いてしまった様だ。森見登美彦氏の作品に倣って夜の先斗町へ出掛けようと思っていたが、あまりにも疲れたので22時頃に寝てしまった。仕事の疲れも相まって、もう限界だったのだ。でも勿体無いので少しだけ持ってきていた「有頂天家族」を読む。この作品の舞台の地で読めるなんて、なんと贅沢な事だろうか。そして寝る前に気付いたのですが、ブログにも記述がない通り、下鴨神社の休憩所で食べた申餅以外に何も食べてないのである。続く→②